Oculus Quest買いました

初めてVRを体験したのはGearVRでした。
キャラクターがすぐ近くにいる感覚とか、物の大きさを実感できる感覚は今まで体験したことのないもので、かなり興奮したものです。

その数年後にOculus Riftを買いました。
GearVRとの大きな違いは「3DoFではなく6DoFである」「ハンドコントローラがある」「ゲーミングPCのスペックで動作する」という点です。実際導入してみるとGearVRとは全く違う経験に驚きました。まさに自分が仮想空間に入り込んだ感覚となり、仮想空間内にしっかり自分の存在を感じることが出来ます。エンターテイメント向けのみでなく実用性もある未来の技術なんだなということも実感できました。

そして今回、Oculusから新しくリリースされたQuestを購入しました。
QuestはPC不要でケーブルレスで気軽に遊ぶことができるという一見初心者向けのガジェットですが、同時にRiftのマイナーチェンジモデルであるRift Sも発売されていて、どちらを買うか迷いつつ結局発売日までスルーしておりました。迷っていた理由は、Rift SはRiftよりも多少スペックアップは見られるもののRiftユーザーが購入するほどの価値はないのではないかという部分と、QuestはケーブルレスVRの手軽さを体験してみたいもののPCVRと比べるとやはり見劣りしてしまうのではという部分を憂慮していたからです。
ですが、発売後の評判を見るとどちらとも想定していたよりも評価が高く、それはそれでどっちを買うべきか悩みのタネになっていたのですが、QuestでPCVRが動くという話を見て一気にQuest購入に踏み切るに至りました。情報を鵜呑みにしたわけではなく、真偽とその性能を自分で確かめたかったというのが一番の理由です。専用機器でもないのにまともに動くわけないと考えていたので。

前置きがものすごく長くなりましたが、ここからQuestの使用レポートになります。

まずはケーブルレスについて。
正直ケーブルレスの重要性をなめてました。GearVRやスマホVRでケーブルレスVR自体は体験済みだったので、そこまで感動はないだろうと思ってたんですが、いやはや全くそんなことはありませんでした。3DoFではケーブルレスのメリットは全く生かせないようで、ケーブルレスの6DoFは単に自由に動き回れるということ以上に大きな体験の違いがあります。
Riftを使っている時はその場で回って見回すような動きをするだけでケーブルが体に絡みつくため、またはそうならないように常に意識しておく必要があるため、現実との繋がりを強く意識させられてしまいますが、Questはケーブルがないというだけで現実との繋がりを薄くすることができるため、仮想空間での自分の存在感がさらに強まることになります。
また、ケーブルレスになることによってゲームの楽しみ方が変わるだけでなく、例えば大人気VRゲームのBeat Saberなどでは360度の全方向からブロックが流れてくるようになるアップデートを予定しているなど、ゲームデザインから変わることもあるようです。6DoFVRにとってケーブルがないことによる影響の大きさは完全に想定を超えていました。

次に画質などの基本性能について。
Riftから解像度が上がっている効果が分かるかどうかは微妙かなと思っていましたが、スクリーンドア効果が低減されているのがはっきり分かりました。また、ゴッドレイも多少軽減されているように感じます。グラフィック性能に関してはやはりPCVRにはかなわないように思いますが、そこは単純な見た目の問題と言うよりは、例えばVRChatなどのソフトでの表示アバターやワールドの制限を受けるとか、そういった機能的な部分で大きな差がついてしまっているのを感じます。
Riftにあったヘッドホンがなくなりスピーカーから音が出るようになりましたが、そこは一番残念な部分のように思います。音質にしても音量にしても不足を感じます。

最後にPCVR性能について。
現状QuestでPCVRをやる方法としてALVRとVirtual Desktopの二種類がメジャーな手段であり、基本的には似通っているので両方をまとめての評価としますが、やはり一番驚いたのは遅延の少なさです。QuestでPCVRを実現するためには「Questからのトラッキング信号をPCに送り、それを元にPCで描画し、描画されたものを動画としてエンコードし、それをQuestに送り、Questでデコードする」という流れになり、この流れが一瞬で行われないと頭の動きに画面がついて来ず実用に耐えないものになるわけです。イメージだけですと実用範囲の遅延に収まるのは正直無茶だろうと思っていましたが、実際Questでやってみると普通に実用可能な範囲なのです。これは驚き以外の何物でもありませんでした。また画質についてもかなり高解像度・高ビットレートで実用できるため、Riftで見るよりも綺麗に見えたりするのがホント驚きです。
とは言え、画像が一瞬止まるなどカクつきが発生したりするため安定感という意味ではまだまだなところですし、コントローラの反応や操作性についても対応がまだ出来ていない部分が多かったりするので、完全に乗り換えられるかというとそういうわけではありません。ただ、基本的な性能としてはかなり素晴らしい性能を発揮できるので今後の期待は大きいですね。

以上Questについてのレポートでした。Oculusはホント面白いハード出してきましたね。PCVRでの使用は公式ではまだ認められていませんが、そのあたりも含めて今後どのような展開をしていくのか非常に楽しみです。

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